毎年10月頃になると受付のカウンター下に置かれる柿。
父が作っています。
施術をしながら柿畑が見えるのですが、父の軽トラックが停まっているのを頻繁に見かけます。
柿は1月頃から枝木の剪定が始まり、さまざまな工程?を経てようやく10月に収穫が迎えられます。
そんな父が丹精込めて作った柿です。
「ご自由にお持ち帰りください」と、患者さんたちでほしい人に持っていってもらっています。
患者さんからの評判も良く、リピートしてくれる人もけっこういたりします。
こうして父が柿を持ってきてくれると、季節の移り変わりをしみじみと感じます。
旬の食材を食べる意味
「柿を食べると医者が青くなる」と言われるように、柿にはビタミンCやベータカロテンなどが豊富に含まれており、これから冬になるにつれて寒さや乾燥で風邪なども引きやすくなるのを防いでくれるいっぽうで、東洋医学的には柿は身体を冷やす食べ物であるため、食べすぎには注意が必要です。
以前の記事『身土不二(しんどふじ)と医食同源』でも書きましたが、昔から僕らのご先祖様たちはその土地でとれたその季節の食べ物を食べながら命をつないできました。
季節ごとの旬の食べ物を食べるというのも、ちゃんとした意味があります。
たとえば春。
ふきのとうやたらの芽、タケノコ、菜の花など、春の野菜や山菜には独特の苦みがあるものが多いと思います。
この苦み成分は「植物性アルカロイド」といって身体の中の老廃物や毒素を体外へ排出するのを手伝ってくれる役割があります。
冬場は身体に栄養素をため込む時期でもある反面、老廃物や毒素などもたまりやすく、春の食材を積極的に食べることで、これらを解毒・デトックスしてくれるのです。
夏の食材のキーワードは「身体を冷やす」食べ物です。
暑い地域や夏場に採れる野菜や果物には身体を冷やす作用を持つものが多く、これらを食べることで身体を冷やし、猛暑を凌いできました。
しかし現代では一年を通して夏野菜や夏の果物を食べることができるため、冬場になすやトマト、きゅうり、パイナップルやマンゴーなどの南国の果物などを食べすぎると逆に身体を冷やしてしまい、冷えによるさまざまな不調につながる恐れがあるため、注意が必要です。
秋の食べ物はビタミンやミネラルなどの栄養価が高いものが多く、夏場の疲れを癒やしてこれからくる寒い冬を乗り切るための身体作りに役立ちます。
また、季節の食材や旬の味にも共通した特徴があり、前述したように春は「苦味」、夏は「酸味」と表現されます。
そして秋の味覚は「甘味」と表現されることからも、やはり秋は糖質=エネルギーを十分に摂ることで厳しい冬を迎える準備期間であることがわかります。
冬の味覚は「厚味(こうみ)」と表現されるのですが、「厚味」とは味がこってりとして美味しいということです。
「こってり」ということは、栄養価が高く、なおかつ「高カロリー」のものを積極的に食べることで身体に脂肪を蓄えて厳しい寒さから身を守るという要素が含まれているのではないでしょうか。
また冬野菜、とくに根菜類は身体を温めるとも言われていますが、鍋料理や煮物など火を加えて温かい料理として食べるものが多くなるという意味合いでも身体を温めると言われるようになったものと考えられます。
たしかに鍋や煮物であれば食材の栄養素を余すことなくすべて摂取できるため、栄養価が高く、なおかつ身体もしっかり温まります。
寒さ厳しい冬を健康に乗り切るためにも積極的に日々の食事に取り入れていきたいですね。
今日は10月17日。
甲府は朝から雨模様で気温もぐっと下がりました。
日に日に秋も深まり、確実に冬に向かっているのを実感します。
明日からもしばらくは「柿」が並ぶと思いますので、旬の柿をみなさん食べていただき、これから迎える冬に備えていただけたら幸いです。
山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院