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『身土不二(しんどふじ)と医食同源』

身土不二(しんどふじ)という生き方

先日のブログ記事、『頭と心のリフレッシュに草取りのすすめ』でも書きましたが、草取りなど土いじりをしていると心が落ち着いてくる感覚になったり、なにか「しっくりくる」感覚があるのは、もしかしたら僕自身のルーツによるものが大きいのかなとも思うんですよね。

というのも、僕のご先祖様は代々農家だから。

実はくぼた整骨院は、もともとは田畑だったところに建設したんです。

「あんたのおじいさんおばあさんはここで一所懸命よく働いてただよ」って、当時うちのじいちゃんばあちゃんを知っている人が、いろいろと教えてくれたこともありました。

そんな話を聞いたりすると、今ここでくぼた整骨院を開院して仕事をさせてもらっているのは、大昔からご先祖様たちがせっせとこの土地を耕し大切に守ってきてくれたおかげなのだなと、しみじみ思います。

僕のご先祖様たちはおそらくずーっとお百姓さんだったのだろうなと思います。

というか僕に限らず日本人はもとをたどれば、みんな土地を耕し狩猟採集しながら自然とともに生きてきた民族です。

身土不二(しんどふじ)という言葉があります。

身と土は二つにあらず。

身土不二(しんどふじ)は、もともとは身土不二(しんどふに)という仏教用語で、「因果応報」と同義の意味でしたが、大正時代になって食育や食養が注目されるようになり、「人間の身体と土地は切り離すことができない、その土地の食べ物、季節ごとの旬の食べ物を食べることが身体にとって、健康においても非常に大切なことである」という意味でも使われるようになった言葉です。

たしかに人間はその土地で作られた作物、その土地で狩猟採集したものを食べて生きてきました。

当たり前ですが土地によって作られるものや狩猟採集できるものは異なり、その土地や環境に適合するように人間の身体も作られてきました。

大昔では日本にいながら外国の食べ物を食べるなんてことはありえないことでしたが、飽食の時代とも言われる現代においては日本にいながらも、大概の物であればなんでも食べることができます。

しかしながら食が豊かになった反面、病気や不調は増えているのが現実です。

それはなぜか。

単純に「体質に合っていない食べ物を食べているから」、あるいは「自然なかたちではない添加物満載の食べ物を食べているから」、ということも一つの理由だと思います。

身体は食事で作られる

食と健康に関する言葉に、「医食同源」があります。

「医(病気を治療する)と食(食事をする)の源は同じである」という意味であり、「身体にいい、あるいは身体に合った食べ物を食べていれば、健康を保つことができ、病気の治療においてもまた同じである」ということです。

その通りなんだろうなと思います。

病気になると、あるいは何かしらの不調になると、今は当たり前のように病院に行き、薬を処方してもらいますよね。

それで症状が落ち着くと「治った」と思う。

でもこれって出ている症状を薬で押さえ込んでいるだけかもしれません。

また以前と同じ生活をしていれば、病気や不調が繰り返されることになりかねません。

先住民たちには、今あるような病気はまったくなかったそうです。

平均寿命が短いからでしょって思う人もいるかもしれません。

しかし先住民たちの死因の多くは感染症やケガによるもの、または死産であり、それらを回避できれば100歳以上まで生きていたというデータもあるのです。

当然ながらガンも糖尿病も自己免疫疾患も難病といわれている病気等々もまったくなかったそうです。

文明の発達と引き換えにあらゆる病気が増えてしまいました。

とはいうものの、文明が高度になり、社会環境も複雑になった現代で、「よし!じゃあまた先住民みたいな生活に戻ろう!」なんてことはありえないわけで、でも健康に生きていくためには多少なりとも食のあり方について考えてみる必要があるのではないかと思います。

健康に関する食の考え方も多種多様であり、分子整合栄養学(オーソモレキュラー)、糖質制限食、マクロビオティック、玄米菜食、菜食主義、先住民食、MECなどなど、本当にたくさんの考え方が存在します。

どのような食が合うかは本当に人それぞれだと思います。

しかし、日本人に比較的合う食べ方として、「まごわやさしい」=「ま(まめ類)ご(ごま、種子類)わ(わかめ、海藻類)や(野菜)さ(魚)し(しいたけ、きのこ類)い(いも、根菜類)」があります。

上記を見ても、日本で古くから食べられてきたものばかりだと思います。

しかし現代の日本では欧米文化の流入とともに食生活も大きく変わってしまいました。

肉汁あふれるハンバーガーやチーズたっぷりのピザ&パスタ、らーめん、食後のデザートなどなど、食べるとたしかに美味しいです。

でも現代においてこれだけ病気や不調が増えているということを考えると、これらの食べ物はあくまでも嗜好品であり、毎日食べるような物ではないのだと思いますが、明らかに現代人は糖質過多、高脂肪食を食べ過ぎる傾向にあります。

元来、日本には春夏秋冬があり、昔からその土地で採れた季節に応じた旬の食べ物を食べてきました。

地域によっても伝統食といわれる文化も根づいており、それらを食べながら命を繋いできました。

何千年、何万年もかけてその食文化の影響は確実に僕たちのDNAに刻まれながら身体も作られてきたのだと思います。

そう考えると自ずと自分たちに合った食べものも見えてくるような気がします。

飽食の時代と言われる今だからこそ、食と健康について考えてみることも大切なことかもしれません。

山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院