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『塩のウソとミネラルの重要性』

天然の塩と精製塩(塩化ナトリウム)

海水を天日干しして乾燥させて作られた「天然の塩」は、塩化ナトリウム以外に70種類以上ものさまざまなミネラルがバランスよく含まれています。

しかし現在では、海水をイオン交換膜透析法とういう方法で塩化ナトリウムだけを純粋化した「精製塩」が多く出回っており、家庭でも外食チェーンなどでも使われています。

天然の塩には人間が必要なミネラルすべてがバランスよく含まれているのに対し、精製塩は塩化ナトリウムが99%以上であり、他のすべてのミネラルが失われており、精製塩ばかりを摂ることで体内のミネラルバランスが崩れ、さまざまな病気や不調を引き起こす原因となります。

「塩分の摂りすぎ=高血圧」ではない

高血圧研究の世界的権威であった青木久三博士(1933~1990年)は、「塩=高血圧」を立証するためにいろいろな実験を行い、最終的に「食塩の摂取と高血圧に因果関係は認められず、仮に高濃度の塩分を摂取したとしても水を飲み、排尿能力があれば血圧は上がらない」と結論付けています。

また、減塩によって血圧が下がる人は100人中2~3人しかおらず、塩分感受性の強いごく一部の人以外、大多数の人にとって塩は高血圧の原因にならないと述べています。

ミネラルの重要性

ミネラルは生命維持に大きく関与しており、水とともに生命を支える重要な栄養素です。

糖質、脂質、タンパク質、ビタミンと並んで五大栄養素の一つであり、体内で作ることができない無機質であることから、食品から摂取する方法しかありません。

体内に存在するミネラルは、全部で体重の4.35%程度と少量ですが、すべての細胞でとても大切なはたらきをしています。

ミネラルは過剰であっても不足しても身体は異常を起こし、とくに必須ミネラルの16種類は一つでも不足すると重大な障害が起きてしまい、著しく不足すると生命に関わる事態に発展します。

塩は最高のミネラルの供給源

ミネラルの供給源として最適なものは塩です。

天然の塩には身体が必要とするすべてのミネラルがバランスよく含まれています。

しかし現代において、加工されている食品で使われている塩は塩化ナトリウム99%以上の精製塩がほとんどであり、また食卓塩として、あるいは調理する時にも精製塩を使用しているという家庭も多いのではないでしょうか。

このように、知らず知らずのうちに塩化ナトリウム99%以上の精製塩ばかり摂ることで体内のミネラルバランスが大きく崩れ、これが日本人の血圧を狂わせてしまっている元凶の一つとなっています。

戦前の日本では塩も良質なものが数多くありましたが、第二次世界大戦後に天然塩の販売が規制され、精製塩が使われるようになりました。

天然塩には人体に必要なミネラルがすべて含まれており、身体に有益なだけではなく血圧もコントロールする作用を持っています。

生体恒常性を保つうえでなくてはならない本物の塩が規制され、ニセモノの塩を普及させた背景に、低コストで大量生産が可能だからということだけではない別の理由があることも知っておくべきことかと思います。

減塩より本物の塩を使う意識を

スーパーに行ってみると、いわゆる「減塩」の醤油や味噌などが並んでいるのを見かけます。

しかし減塩の醤油や味噌などで使われている塩も、やはり塩化ナトリウム99%以上の精製塩です。

本来はいろいろなものが入って一つになっているものから、その中の物質を一つだけ抽出し、それを摂取してもその物質本来のはたらきが得られずにかえって身体に悪影響を及ぼすことがあります。

とくに塩の場合、ミネラルバランスが整っているものは塩化ナトリウム90〜95%くらいで、残りは70種類以上のミネラル分です。

たかだか数%のミネラル分ですが、これらのミネラルが身体を作る材料になったり、相互に作用し合ったりして健康維持に非常に重要な役割を果たしているのです。

健康維持・増進に「塩」を見直してみませんか?

山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院

参考文献
・からだに「いい塩・悪い塩」 細川順讃 著 2016年
・医学不要論 内海聡 著 2018年