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『心身の健康にかかせないミネラルの重要性vol.4/リン酸塩とミネラル不足』

先日のブログ『心身の健康にかかせないミネラルの重要性vol.3/ミネラル不足がさまざまな不調を引き起こす』では、僕たちの心身の健康にかかすことのできない各種ミネラルのはたらきや、必須ミネラルの一つである「リン」の摂りすぎによるミネラル不足ついて書きました。

リンは現代の食事にさまざまな形で添加物として使われており、知らず知らずのうちにリンの過剰摂取によって慢性的なミネラル不足を招き、心身の不調につながることもあるため、注意が必要です。

ミネラルの吸収を阻害する「リン酸塩」

現代の食品にはさまざまな添加物が使われています。

日本で認可されている添加物は1500種類以上あるのですが(欧米諸国に比べて格段に多いです)、さまざまある添加物の中に「リン酸塩」という添加物があります。

「リン酸塩」は身体に毒性はないとされていますが、食品中のミネラルと結合してミネラルの吸収を阻害します。

とくに微量ミネラルはもともと摂取できる量が少ないため、リン酸塩の使用によって吸収がほとんどゼロになるとも言われています。

リン酸塩を隠す「一括名表示」

リン酸塩は「白くてぷりぷりにする添加物」として多くの加工食品に使われています。

スーパーなどで食品を選ぶ際、食品の裏面にある成分表示のところに「リン酸塩」と書かれていれば、リン酸塩を避けやすいと思いますが、必ずしも「リン酸塩」と書かれなくても、「一括名表示」という表示法でよいことから、リン酸塩という表記がなくとも「リン酸塩」は名前を変えてさまざまな食品に使われています。

たとえば、「pH調整剤」って食品の裏面によく書いてあるのを見ますが、「pH調整剤=リン酸塩」です。

リン酸塩の表記いろいろ

〇インスタントらーめんの「かんすい」

〇パンの「イーストフード」

〇チューインガムの「ガムベース」

〇各種食品に使われている「調味料(アミノ酸等)」

〇各種食品に使われている「膨張剤、膨らし粉、ベーキングパウダー」

などなど。

そして、「乳化剤」という添加物をさまざまな食品たちでよく見かけますが、缶コーヒーに使われている「乳化剤」はリン酸塩を使っていてはダメだけど、チーズの「乳化剤」だけリン酸塩を隠し入れていいというルールがあります。

レトルト食品と精製食品の増加もミネラル不足を招いている

リン酸塩と同様に、現代の食においてレトルト食品と精製食品の増加も現代人のミネラル不足の原因になっています。

スーパーではさまざまなレトルト商品が販売されていますが、それらの商品は水煮された具材を使っているため、水煮した段階でほとんどミネラルが溶出しており、サラダ用のカット野菜も野菜炒め用のカット野菜も短時間の水煮や過剰な洗浄でミネラルが溶出しているため、こういった食品や食材を日常的に食べていると、やはり慢性的なミネラル不足に陥る原因となります。

そして、白米、精白小麦粉、精製塩、精製油などの食品は加工する過程でミネラルやビタミンが削ぎ落とされているため、これもミネラル不足に拍車をかける原因になっています。

本来であれば、米も玄米、小麦も全粒粉といったように、さらに天然の塩、植物油なども精製しなければミネラルやビタミンが豊富に含まれていますが、精製することで低コスト&大量生産が可能であり、現代では多くの食品で精製食品が使われるようになってしまいました。

このように、ふだん何気なく食べている食事が知らず知らずのうちにミネラルの吸収を阻害していたり、あるいは食材を精製・加工する過程でミネラルが失われた食べ物だったりすることで、身体は慢性的なミネラル不足となって心身の不調につながってしまうこともあります。

ミネラルはそれぞれが相互に作用し合うことによって身体の各細胞やホルモン、酵素などのもととなり、身体機能を正常に保ち、精神を安定させるなど、僕たちの身体にかかせない大切な栄養素です。

忙しい日々を送っていると、ついついスーパーのお惣菜やお弁当、加工食品などに頼りがちになってしまうかもしれませんが、慢性的なミネラル不足にならないためにも、できるだけ「食材を切ることから手作りする」、「バランスよく何でも食べる」ことを日々の食生活でも意識することも大切なことかと思います。

山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院

参考資料
・中戸川貢の食育セミナーDVD第1回「現代の食事はミネラル不足」2016年