更年期に起こるさまざまな不調、「更年期障害」とは
女性は平均50歳前後で閉経を迎え、この前後10年間(45~55歳)の時期を「更年期」と言います。
年齢を重ねることで卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌も急激に減少します。
エストロゲンは思春期には女性らしい体型作りや子宮・膣・乳房などの発育を促し、月経や妊娠の成立・維持にも重要かつ不可欠なホルモンですが、全身に作用して身体の恒常性維持にも重要な役割を果たしています。
エストロゲンのはたらき
〇肌の新陳代謝を促進する
〇骨を強くする
〇コレステロールの代謝調節を行う
〇インスリンの分泌を調整する
〇脳の認知機能や情動に寄与する
〇自律神経系をコントロールする etc.
したがって、エストロゲンの急激な減少はさまざまな不調や不快な症状につながりやすく、これらの病態を総じて「更年期障害」と言います。
更年期障害のおもな症状
✅めまい、耳鳴り、✅のぼせ、ほてり、多汗、✅食欲不振、✅下痢、便秘、✅手足の冷え、✅肩こり、腰痛、関節痛、✅抜け毛、薄毛、✅体力の衰え、✅頻尿、尿漏れ、✅生理不順、✅不眠、✅不安やイライラ etc.
閉経が近づくにつれて卵巣の機能も低下し、エストロゲンが減少していくことは避けられないことではありますが、卵巣の老化を遅らせることができればエストロゲンの産生機能も衰えにくくなります。
それでは卵巣の機能をいつまでも維持、あるいは老化を遅らせるためにはどんなことが大切なのでしょうか?
僕たちの身体は約60兆個の細胞で構成されていると言われており、身体の各細胞たちは僕たちが食べたもので栄養され、呼吸で取り込んだ酸素をエネルギーに変えることで細胞本来のはたらきが維持されています。
卵巣もミクロ的に見ていくと各細胞の集まりで構成されており、やはり血液循環によって酸素と栄養を得ることでエストロゲンやプロゲステロンなどいわゆる女性ホルモンを産生するなどの機能を維持できています。
したがって身体の老化だけではなく、「卵巣のアンチエイジング」を考えた時にも、「日々の食事」と「血の巡り」が非常に大切なポイントになってきます。
糖質の摂りすぎと加工食品を避ける
甘いものが好きな人は多いと思いますが、実は砂糖は食品の中でも最強と言っても過言でないほど身体にとって「毒」でしかありません。
過去記事、『砂糖は甘くない』でも書きましたが、砂糖(甘いもの全般)は身体を冷やし、炎症を誘発し、痛みも感じやすくさせ、代謝される過程で体内のビタミンやミネラルを大量に消費することで慢性的なビタミン・ミネラル不足にし、免疫を下げるなど、身体にとって百害あって一利なしであり、また非常に強い中毒性や依存性があるため、なかなかやめることができない極めて厄介な毒物です。
糖質(炭水化物)は三大栄養素の一つであり、身体に必要な栄養素であることは間違いないですが、本来であれば精製されていない穀類やイモ類、根菜類などに含まれる「間接糖」を分解・消化・吸収して糖質を身体のエネルギーに変えています。
そもそも砂糖のような「直接糖」がダイレクトに体内に入ってくることを想定して身体は作られておらず、したがって甘いものの摂りすぎは身体にとって「きつすぎる」のです。
また、添加物まみれの加工食品を食べると体内で活性酸素が大量に発生しやすくなります。
活性酸素は細胞を酸化させることで老化を早め、炎症を誘発し、さまざまな不調や病気の原因となる物質であり、日常的に加工食品を食べる生活を続けていれば健康を損なうのも当たり前のことかもしれません。
いつまでも若く、健康でいるためには甘いものと加工食品の摂りすぎは避けるべきであり、また偏った食事ではなく良質なたんぱく質や脂質、ビタミンやミネラルをしっかりとることを意識しながらバランスよく何でも食べることが大切です。
血の巡りをよくして栄養と酸素をしっかりと卵巣に届かせる
せっかく良質なたんぱく質や脂質、ビタミンやミネラルを摂取しても血行不良で栄養や酸素が卵巣までしっかり届きにくい状態だと、やはり卵巣のアンチエイジングにはつながりません。
とくに女性は冷え性や低体温の人が多く、慢性的な血行不良があると卵巣の機能低下も招きやすくなります。
したがって日頃から身体を冷やさず、積極的に身体を温める意識、さらに体温を上げることが大切です。
運動をする習慣がない人は定期的な運動、筋トレなどを行って汗をかき、また筋肉がつくことで代謝が上がり平熱もupしやすくなります。
そして、基本的なことですが「湯船につかる」ことも血の巡りをよくするうえで大切です。
湯船につかることは単純に身体を温めるから血行が良くなるというのは当たり前ですが、浮力作用でリラックス効果が高まり、また水圧によって身体内部の内圧が下がることで血液循環もさらに促進されます。
普段シャワーで済ませてしまう人は、湯船にゆっくりつかる日をできるだけ多く作るなど、ぜひ日ごろから湯船につかることを習慣にしていただきたいです。
「よもぎ蒸し」はデリケートゾーンを直接温める
そして、更年期障害の予防・解消にもやはり「よもぎ蒸し」がおすすめです。
よもぎ蒸しはよもぎの蒸気で膣をダイレクトに温めます。
膣の上にはすぐに子宮と卵巣が位置しており、デリケートゾーンに直接よもぎの蒸気を当てて温めることで骨盤内蔵器である子宮や卵巣、腸まですぐに温まり、骨盤内の血液循環もすぐに促進されます。
また、よもぎの香り成分には心身の鎮静作用があり、よもぎの香りに包まれながら蒸気を鼻から吸い込むことで自律神経系を司る間脳視床下部に直接的に作用します。
すると自律神経のバランスも整いやすくなり、心身のリラックス効果も高まるため、更年期障害の症状の一つでもある気分の落ち込みやイライラ、不安感も解消されやすくなります。
このような理由から「よもぎ蒸し」が更年期障害の予防・解消にも効果的であると言われています。
良質な食事、適度な運動、湯船にゆっくりつかるなどの意識とともに「よもぎ蒸し」もつらい更年期の不調や不快な症状の予防・解消に、そしていつまでも若々しく健康でいるための一助としてお役立ていただければ幸いです。
山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院