ぎっくり腰が急増しています。
ここ最近、朝晩の寒さはまだ続いているものの、日中は気温がぐっと上がり、だいぶ春らしく暖かくなってきました。
毎年この時期になると、ぎっくり腰で来院される方が非常に多くなる印象で、今年も例外ではなく、ここ数日はとくにぎっくり腰が急増中です。
季節の変わり目は自律神経のバランスが崩れやすく、ぎっくり腰も含めてさまざまな痛みや不調になりやすくなるので、患者さんが増える傾向にあると思うのですが、それにしても「冬から春」への季節の変わり目に、ぎっくり腰がとくに増えるんですよね。
なんでだろうなーと、つい最近まで漠然と思っていたのですが、かれこれコロナが騒がれ出した頃なのでここ2年ちょっとくらいで食と健康、東洋思想などの興味が深まっていろいろと本を読んだりそういった内容の話を聞いたりすることで、「なるほど💡そうだったんだ!」と思えるようになりました。
春のぎっくり腰には肝臓の疲労が関係している?
『旬の食べ物を食べる意味~身土不二(しんどふじ)と医食同源~』でも書きましたが、春は解毒(デトックス)の季節です。
厳しい寒さを凌ぎ、乗り切るために冬の時期は栄養を身体にため込みます。
しかしため込むのは栄養だけではなく、毒素も身体にため込んでしまいます。
そして春の時期、植物たちが一斉に芽吹き、花を咲かせるのと同じように、人間も身体にたまった毒素を排出しようと内臓のはたらきも活発になります。
とく肝臓は代謝・解毒を司っている臓器の代表格であり、冬にたまった毒素をせっせと代謝・解毒すべく活発に活動を続けることで、肝臓の疲労が起こります。
東洋思想の陰陽五行説では、肝臓は「筋膜」を司るとし、「肝臓の不調は筋活動を妨げる」とも言われます。
↑「基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書」より
肝臓の一部は横隔膜と連結しています。
また横隔膜は腸腰筋とも連結があるため、肝臓が疲労してかたさが出ると、まわりの組織にも緊張が波及します。
肝臓→横隔膜→腸腰筋(大腰筋)に緊張が波及することで、これが春にぎっくり腰が増える要因になっているのではないかと考えます。
大腰筋はいわゆるインナーマッスルであり、身体を支え、動きの初動作を司る重要な筋肉の一つなのですが、この筋肉が弱ったり疲労して緊張したりすることで、腰痛やぎっくり腰の原因になることも多い筋肉です。
↑「プロメテウス解剖学アトラス第2版」より
ここ最近ぎっくり腰でいらっしゃる方も、やはり大腰筋が原因となって引き起こされてしまったのではないかと思われるケースがかなり多いです。
また、患者さんで先日ぎっくり腰になった翌日?に定期検査で血液検査を行ったところ、アルブミンの値が低くなっていたそうです。
アルブミンは血液中の水分を保ち、血管内の浸透圧を維持したり、血管内の物質の運搬や保持するなどの役割があるのですが、実は肝臓で作られるたんぱく質なんです。
おそらくたまたま?だとは思います。
が、春のこのタイミングでぎっくり腰になったり、アルブミンが低かったりなど、もしかしたら春になってせっせと代謝・解毒をがんばりすぎている肝臓の疲労によるものなのかな??と邪推してしまいます。
春に起こるぎっくり腰のすべてが肝臓の疲労と関係しているわけではけっしてありませんが、しかしながら肝臓は毒素を体外に排出させようと毎日がんばってはたらいてくれていることには違いありません。
したがって日頃からデトックス力を強化し、また肝臓のはたらきをサポートできれば肝臓の疲労を防ぎ、さまざまな不調の予防につながると思います。
ここでもやはり「食」が重要になってきます。
次回のブログでは、「デトックスを高める食べ物」、「肝臓のはたらきを助ける食べ物」について書いていこうと思います。
山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院