「まごわやさしい」食事が日本人には合う
みなさん「まごわやさしい」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「まごわやさしい」とは食養生の一つの考え方であり、日本人に馴染み深い食文化とも言えます。
過去記事『身土不二(しんどふじ)と医食同源』にも書いた通り、人々は代々その土地で作られたものを食べ、その土地にいる動物たちの命をいただくことで、自らの命を代々つないできました。
土地によってその土壌や気候はさまざまであり、したがってその土地で作られる作物や生きている動物たちも多種多様です。
人間もまたその土地の食べ物や気候に合うように身体を順応させながら何世代もDNAを受け継いできました。
なので人種や民族によって身体に合う食べ物にも違いがあり、健康ということを考えた時、やはり自分の身体に合う食べものを選ぶべきであり、反対に身体に合わない食事を続けることで、さまざまな病気や不調に陥ってしまうことも不思議ではありません。
そういった意味合いでも、「まごわやさしい」食事は日本人に合いやすく、昔から日本に存在するお馴染みの食材ばかりです。
「まごわやさしい」は栄養学的にもとても理にかなっており、✅生活習慣病予防、✅コレステロールの正常化、✅老化予防、✅皮膚・粘膜の抵抗力強化、✅疲労回復、✅骨を丈夫にする、などと言った効果があると言われており、昨今あらためて推奨されている食養生の考え方です。
ちなみに「まごわやさしい」とは、以下の食材のことを指します。
ま(まめ)=豆類、
ご(ごま)=種実類、
わ(わかめ)=海藻類、
や(やさい)=野菜類、根菜類、
さ(さかな)=魚介類、
し(しいたけ)=きのこ類、
い(いも)=いも類。
やはり家庭でもよく見る食材ですよね。
最近、僕も日々の食事はできるだけ「まごわやさしい」を意識するようにしています。
僕は今年で39歳になるのですが、やっぱり年齢のせいもあるのか、20代の頃は定食屋さんに行っても肉系のメニューをかならず頼んでいたのが、最近では自然と焼き魚や煮魚、お刺身などを食べたくて注文するようになりました。
また、「まごわやさしい」+αで「発酵食品」を摂ることも心がけています。
世界的に見ても、さまざまな発酵食品がありますが、日本にも味噌、醤油、ぬか漬け、納豆などの素晴らしい発酵食品がたくさんあります。
腸内環境を整えるためにヨーグルトを食べているという人も多いかと思います。
しかし、先日のブログ記事『牛乳のウソとミネラルの重要性vol.2〜カルシウム・マグネシウム編〜』にも書いたように、牛乳由来の食品にはさまざまな問題点があり、ヨーグルトなどは発酵している点で毒性は少なくなっていることが考えられますが、やはり日本人は体質的にも数多の乳酸菌や酵母菌、微生物たちのはたらきによって昔ながらの製法で作られた味噌や醤油、納豆、ぬかづけなどの発酵食品を積極的に摂ることで腸内環境も整いやすくなり、病気や不調にもなりにくい身体づくりにつながります。
食べ物を丸ごと食べる=一物全体(ホールフード)という考え方
「まごわやさしい」、「発酵食品」とあと一つ、食に関して意識していることがあります。
それは、「一物全体」=「ホールフード」という考え方です。
これは東洋思想的な考え方であり、魚なら頭から尻尾まで、いもや人参は皮つき、葉つきのまま、米は玄米で食べようという考え方です。
丸ごと食べる良さは、たとえば穀類や根菜類などは糖質が高いですが、丸ごと食べることによって食物繊維も一緒に摂れるため、その食物繊維が糖の吸収を緩やかにし、身体に適した「間接糖」のかたちで取り入れることができます。
実は精米された白米は、米の栄養素がほとんど剥ぎ取られた「糖質の塊」であり、玄米で食べることで外皮にあるビタミンやミネラルなどの栄養素も同時に摂取することができます。
現代では日本にいながらパン食やパスタ、ハンバーグ、揚げ物などたくさんの欧米食を食べることができます。
たしかにすべての日本人に当てはまるわけではないかもしれませんが、それでもやはり日本人の多くは日本食、和食が体質的に合っているのは間違いなく、近代において食の変化によって食生活が原因と思われる病気や不調というのも少なくありません。
当たり前ですが僕たちの身体は食べたものでできており、心身ともに健康であるためにも日頃から身体に合う食事を意識することはとても大切なことだと思います。
みなさんも日頃の食生活のなかで「まごわやさしい」「発酵食品」「一物全体」を意識してみてはいかがでしょうか?
山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院
参考文献 ・医者いらずの食 内海聡 著 2013年 ・医者が教える あなたを殺す食事生かす食事 内海聡 著 2015年