肩関節が痛くなる原因はたくさんある
肩が痛い、腕を動かすと痛い、腕が上がらないなど、肩関節やその周囲の不具合で来院される方は非常に多いです。
いわゆる四十肩や五十肩、上腕二頭筋長頭腱炎、滑液包炎、関節唇損傷、腱板炎や腱板損傷などなど、肩関節部に問題があって症状を出しているものもあれば、たとえば頸椎のヘルニアで肩関節や上肢を支配する神経に圧迫や絞扼によって痛みが出たり、運動制限が出ることもあります。
また、脳梗塞や心筋梗塞の前兆でも肩やその周囲部に痛みが出現することがあり、鑑別に注意が必要となります。
上記のように肩関節に痛みや運動制限などの症状を出しうる疾患や原因は数多くあり、それぞれ対処法も異なりますが、今回は「四十肩・五十肩」にスポットを当て、くぼた整骨院での対処法をお話していこうと思います。
四十肩・五十肩=肩関節周囲炎
そもそも四十肩や五十肩というのは俗名であり、たとえば肩が痛くて腕が上がらず病院に行ってレントゲンやMRIなどの検査を行って画像所見が認められなければカルテには「四十肩(五十肩)」とは書かれずに、おそらく「右肩関節周囲炎」と書かれます。
要するにいろいろ調べても異常が認めれられないものを総称して「肩関節周囲炎」と呼んでおり、したがって四十肩や五十肩はなぜ起こるのか医学的によくわかっていないというのが現状です。
また、四十肩や五十肩という名前なので、40代や50代の人しかならないと思っている人がたまにいらっしゃいますが、60代でも70代でも一般的に四十肩や五十肩と呼ばれる病態に普通に誰でもなりえます。
四十肩や五十肩はなぜ起こるのか?
腕の重さは人によって違いはあるものの、平均で体重の約6~7%ほどだそうです。
体重が60㎏の人の場合だと腕の重さは約4㎏となります。
僕らが立っている時も座っている時も、肩関節を構成している筋肉や関節包などは上腕骨をガシッとつかみこんで上肢が下に落ちないように支えてくれています。
肩関節は4㎏の重さで常に引っ張られている状態です。
また、日常的に仕事や家事などで手をよく使うと慢性的な腕の筋肉疲労につながり、疲労が蓄積されると上肢を構成している筋バランスも変わることで前腕部~上腕部を通じて肩関節に持続的なテンションがかかることとなります。
これらの牽引力が長年かけて肩関節にかかることにより、筋肉の伸縮具合を調整するセンサーが異常を起こすことで関節をロックするように固めてしまい、腕を動かしたりあげたりする時に肩が痛いという四十肩や五十肩の病態が完成します。
くぼた整骨院での四十肩・五十肩の対処法
上記のように肩関節に症状を出す病態や原因はさまざまであり、問診や触診、徒手での検査等行いながら施術を進めていきます。
まず前腕部や上腕部の筋肉を調整することで上肢全体の筋バランスを整えます。
上肢全体の筋肉や骨の構成を整えることで、肩関節に持続的にかかっていた伸長負荷が解消され、肩関節部の構成に関与している筋肉のセンサーである腱紡錘や筋紡錘のロックも解除され、肩関節の可動域も正常に戻ってきます。
肩関節の症状に限らずですが、くぼた整骨院では施術中や施術後にかならず患部を軽く動かしてもらうことをします。
症状の変化を見るためというのもそうなのですが、調整してから軽く動かしてもらうことで患部を構成している筋肉や関節の「なじみ」をよくするという目的があるからです。
たとえば四十肩や五十肩の人であれば、かならずバンザイしてもらうのですが、
窪田「それじゃバンザイしてみてください」
患者さん「痛っ!」
窪田「もう一回やってみて」
患者さん「あ、さっきよりいいです」
窪田「あと一回」
患者さん「あれ、痛くない!!」
て感じで1回目より2回目、3回目のほうが患部を動かしても痛くないってことが非常によくあるんです。
これは調整したうえで動かしてもらうことで、徐々に患部を構成している筋肉たちや関節部の滑走性が上がってなじみが良くなったからだと考えられます。
筋肉や関節のなじみが良いと、それだけで痛みも感じられにくくなり、反対に冷えや血行不良などで筋肉や関節にかたさが出ると、痛みの閾値が下がることで痛みを感じやすくなります。
なので自宅でもゆっくり湯船につかったり無理のない程度に身体を動かすなどして積極的に患部をあたためてくださいと患者さんにはお伝えします。
これから冬に向かい、気温も下がって冷えによる血行不良なども起こりやすくなります。
意識的に患部を冷やさずしっかり温めて血行を促進することで筋肉や関節の「なじみ」もよくなり、徐々に痛みや可動域制限も解消されていくと思います。
つらい四十肩や五十肩でお困りの方はお気軽にご相談ください。
山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院