意外と多い坐骨神経痛
☑︎お尻が痛い
☑︎ふとももが痛い
☑︎スネ・ふくらはぎまで痛む
☑︎足がしびれている
☑︎イスに長時間座っていられない
☑︎痛みとしびれで歩くのもつらい
上記のような症状を総じて「坐骨神経痛」が出ていると言ったりしますが、そもそもこの坐骨神経痛というのは病名ではなく、病態を指す言葉で使います。
程度の差こそあれ、この坐骨神経痛はひどいものだとちょこっと身体を動かしただけでもお尻からふともも、スネやふくらはぎにかけて電撃痛様の激しい痛みが出てしまうこともあり、痛くてイスに座っていられない、歩くのもままならないなど、日常生活にもかなり支障をきたしてしまうこともあるため、こじらせてしまうと非常に厄介な症状・病態なのです。
「坐骨神経痛」の原因は?
それでは坐骨神経痛を引き起こしてしまう原因はどのようなものがあるのでしょうか?
①椎間板(ヘルニア)による神経の圧迫
まず原因の1つとして挙げられるのが、「椎間板ヘルニア」によるものです。
背骨と背骨の間には、クッションのような役割を果たしている椎間板があるのですが、この椎間板の中身が何かの拍子で外側に飛び出してしまい、足にいく神経を圧迫することで痛みやしびれを引き起こします。
たとえば、あんぱんを二つ折りにすると中の内圧が高まってあんこが外側に飛び出してしまうイメージです。
このヘルニアの場合だと、程度にもよりますがかなりの痛みと痺れが起きることも少なくなく、こうなってしまった場合は何よりもまず炎症を鎮めることが先決です。
飛び出してしまった椎間板の中身は、身体にとっては異物と認識されるため、炎症反応が起こります。
またヘルニアが神経を直接刺激していることで神経にも炎症が起こり(神経炎)、耐え難いほどの痛みやしびれをともなう場合も少なくなく、「電撃痛」や「灼熱痛」などと表現されることもあるくらいに非常に恐ろしい病態です。
これくらいひどく症状が出現してしまった場合は、ペインクリニックなどでいわゆる神経ブロック&痛み止めの注射をして炎症による症状の緩和を図ったほうが良いと思います。
ヘルニアの出方が軽度の場合は、高い消炎鎮痛効果が期待できるHi-voltageや微弱電流、超音波などの物理療法をメインに行なっていきます。
②骨盤・背骨(脊椎)のゆがみによる障害
骨盤や背骨にゆがみが生じてバランスが崩れると、ゆがんだ骨が神経を圧迫しやすくなってしまうため、坐骨神経痛様の症状も出現することが多いです。
このケースだと骨盤矯正と脊椎(背骨)の矯正を行って身体本来のバランスを取り戻すことで、坐骨神経痛も解消されやすくなります。
またご高齢になればなるほど、骨自体の変形による神経の圧迫も考えられますが、これも基本的には骨盤矯正&脊椎矯正を行い、硬くなった関節や周囲の筋・筋膜の調整を行うことで神経が圧迫されにくい状態を作っていきます。
③腰や臀部の筋・筋膜の緊張による絞扼
坐骨神経痛の患者さんは、必ずと言っていいほど腰〜臀部の筋・筋膜の緊張がかなり強いです。
とくに、デスクワークの人だったり、運送業などのドライバーさんに非常に多いと思います。
要するに日常的に座っている時間が長い人に多いです。
実は人って立っている時よりも座っている時の方が腰〜臀部にかかる負担て大きいんです。
長時間の座位姿勢保持で腰・臀部に負担が蓄積することで筋・筋膜が過緊張状態になり、硬くなりすぎた筋肉たちによって足のほうにいく血液の流れが悪くなり、また坐骨神経が絞扼されてしまうことで痛みやしびれが出てきてしまうのです。
これらの場合は坐骨神経痛の原因となっている筋・筋膜を調整し、腰〜臀部にかけての筋・筋膜・関節のなじみを良くしていきます。
それらがしっかりとなじむことで、坐骨神経も絞扼されにくくなり、また血液循環も改善されるため、坐骨神経痛も消失しやすくなります。
お散歩が坐骨神経痛の予防になる
坐骨神経痛の予防にも、やっぱりお散歩がいいんです。
ポイントは1日20分ほど、だらだら歩くこと。
ウォーキングとは目的が違うので、だらだら歩くことに意味があります。
それも仕事のこととかあまり難しいことは考えずに歩く。
で、もう1つポイントがあって、花が綺麗だなーとか、風が気持ちいいなーとか、あそこのお店おいしそうだなーとか、そういったことを感じながら歩くことでリラックスした状態が保たれやすくなり、身体全体のなじみも良くなり、全身の血液の流れも整っていきます。
坐骨神経痛に限らず、いろいろな不調の予防にもお散歩は有効ですので、健康維持のためにも1日20分のお散歩を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。