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『同病異治と異病同治』

東洋(漢方)医学には「同病異治」と「異病同治」という考え方があります。

文字通り、「同病異治」=「同じ病気でも異なる治療法を用いること」であり、「異病同治」=「異なる病気でも同じ治療法を用いること」です。

主に漢方医学においてよく用いられる言葉ですが、僕が生業としている徒手療法の世界でも共通して言えることがらだと思います。

くぼた整骨院に来院される方々は、子供からご年配の方まで年齢層も幅広く、またいろいろな症状を抱えて来院されます。

たとえば「腰痛」と一言で言っても痛みが出ている個所や痛みの程度もさまざまです。

前屈はできるけど後屈はできないとか、または両方できないとか、あるいは足にもしびれが出ているとか、腰痛と言っても本当に症状も多種多様です。

これは腰痛の原因となった、あるいは原因となっているものが違うので、また人それぞれもともとの身体の状態も違うので、症状の出方が違うのは当たり前のことだと思います。

痛みや不調を改善する為には、なぜその症状が出ているのか、原因となっているものは何かを見極めることが非常に大切なことだと思います。

腰回りの筋肉や筋膜の緊張が強い場合はそれらを調整しますし、また腰痛の原因が腹筋にある場合もあるので必要に応じて腹筋も調整したりします。

要は腰痛という症状は同じでも、原因を探っていってアプローチする方法や手技を変えるんですね。

逆に、たとえば病院に行くと「成長痛だねー」とか言われがちな痛みを訴える子どもさんって比較的多いと思います。

膝や踵(かかと)、足首だったりと、とくに下肢で症状が現れることが多いような印象です。

骨が成長して伸びようとすると、それにつられて筋肉も伸ばされることで今度は骨がその筋肉に引っ張られて痛むみたいな説明をしますが、痛みの程度がひどいお子さんだと夜間時とくに痛みがひどく出て夜泣きすることもあるみたいです。

とくにこれら下肢全般の成長痛?みたいな症状の時、骨盤矯正が著効を示すケースが非常に多いです。

成長痛みたいな痛みを訴えてくる子どもたちの骨盤を検査してみると、ゆがみとかたさが出ていることが多く、骨盤をニュートラルな状態に矯正することで、おそらく下肢への荷重のバランスが整い、荷重が分散されて今まで痛かった部位へのストレスが軽減することも症状の解消につながっているためだと思われます。

また子どもの成長痛以外でも、いろいろな症状で来院される方々の骨盤を検査&矯正すると骨盤から遠い箇所で起こっている不具合や痛みの消失につながることも少なくありません。

以上のことがらは、東洋(漢方)医学で用いられている「同病異治」「異病同治」の本来の意味とは若干異なるかもしれません。

しかしながら、「同病異治」と「異病同治」の根本部分は同じだと思います。

痛みや不調を解消させるために大切なことは、痛みや不調が出ている部分だけに焦点を当てるのではなく、全体を診たうえでなぜ痛みや不調が引き起こされているのかを探り、その原因にアプローチしていくことだと思います。

「木を見て森を見ず」ということわざがあります。

一部や細部にしか目を向けられず、全体を見ることをしないでその本質をつかめていないことのたとえです。

病気を見るのではなく、人を見る。

徒手療法家として、常に忘れてはいけない大切なことだとあらためて実感します。

山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院