三大栄養素のひとつである脂質
脂質は糖質・たんぱく質と並んで身体の三大栄養素と言われています。
糖質といえば脳を働かせたり、身体を動かすための重要なエネルギー源として、みなさんも認識されていることと思います。
また、たんぱく質は身体のさまざまな組織を作ったり、筋肉のもとになるといったイメージがあるかと思います。
それでは脂質についてはどうでしょうか?
脂質は摂りすぎると脂肪として蓄えられて太るからと、脂質に対しては健康面でも美容面でもあまりいいイメージを持っていない人も多いのではないでしょうか。
たしかに脂質は肥満のもととなり、さまざまな病気の原因にもなり得てしまいます。
しかし、これは脂質自体が悪者なのではなく、「質の悪い油を、間違った方法で、多くとりすぎること」が問題なのであり、「良質」な油を「適切な分量や方法」で身体に取り入れることなくして健康を保つことはできません。
脂質は身体を動かすエネルギー源になるのはもちろん、身体を作る細胞や身体の維持にかかせないホルモンの材料となったりと、僕たちの身体にとって脂質は必要不可欠な材料なのです。
また、行動や思考、精神をつかさどっている「脳」はほぼ脂肪組織でできているのです。
したがって日々の食事で良質な油脂を摂らないで質の悪い油ばかり摂取していれば、脳自体にもさまざまな悪い影響が出てくるだろうことも想像にかたくありません。
このように身体の機能面においても構成面においても重要な役割を果たしている脂質がないと、僕たち動物は生きていくことができないのです。
脂質=油(油脂)の種類とその特徴
①飽和脂肪酸(動物性油脂)
脂質と一言にいってもさまざまな種類が存在し、それぞれに特徴があります。
まず大きく「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」に大別できます。
ざっくりいうと「飽和脂肪酸」は動物性油脂に多く含まれており、常温では固形で存在します。
固形で存在しているからなのか、動物性油脂は一般的に身体に悪いイメージがあるかもしれません。
しかしながら本来なら動物性油脂は身体に悪いなんてことはまったくないのです。
太古の昔、先住民たちは野生動物を狩猟して動物性油脂を摂取していましたが、現代のような病気になることはありませんでした。
現在における畜産業の在り方、たとえば遺伝子組み換え飼料の使用、さまざまな抗生剤やホルモン剤の投与、劣悪な環境での飼育等の問題を考えると、そういった育て方をされた動物性油脂は避けたほうがいいと思います。
抗生剤やホルモン剤などの毒は脂肪にたまると考えられるため、動物性油脂を選ぶ際は気をつける必要があります。
動物性油脂は、とにかく動物の育ち方が重要です。
上記のような遺伝子組み換え穀物やホルモン剤、抗生物質を使わず、健康に育てられたものを選ぶことが大切です。
したがって天然の魚やジビエであれば、放射能の問題なども含めて、環境汚染に注意すれば良質な動物性油脂だけではなく、ビタミンやミネラル、酵素なども一緒に摂れるため、積極的な摂取が望まれます。
また、飽和脂肪酸を多く含む動物性油脂は酸化しにくく、本来の良質な動物性油脂であれば加熱調理に使用することで酸化リスクも抑えられ、また料理にもコクが出ておいしさもupします。
今回は飽和脂肪酸、動物性油脂について書いてきましたが、次回以降では不飽和脂肪酸(植物性油脂)について、種類とその特徴などをお伝えしていければと思います。
山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院
参考文献:その「油」をかえなさい! 内海聡 著 2015年 あさ出版