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『東洋思想における陰陽論と五行論』

陰陽論とは

万物は「陰」と「陽」で成り立っている

東洋医学では「人体と宇宙(自然)は同一(フラクタル)である」という考え方があります。

そして、あらゆるものに「陰」と「陽」という2つの概念があり、両者が対立したり制約するなどしてバランスを保ちながら存在します。

たとえば「上と下」「表と裏」「昼と夜」「夏と冬」「熱いと冷たい」「明と暗」「動と静」「男と女」などなど、例を挙げていったらきりがないですね。

また、昼と夜の長さだったり、四季の移ろいなどからもわかるように、自然界の「陰」と「陽」は互いにバランスをとりながら常に変化しています。

陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる

陰陽論において、「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」という概念が存在します。

たとえば、1日の場合では真昼にもっとも陽が高まり、真昼を境に徐々に陽が弱まって次第に陰が強くなっていき、真夜中に陰が極まるということです。

また四季の場合では、真夏(夏至)に陽が極まり、冬至に陰が極まるというように、それぞれの勢いが最高点に達すると陰と陽の逆転現象が起こります。

この「陰」と「陽」の関係は人体にも深く関係しており、健康を保つうえで身体における陰と陽のバランスは非常に大切であり、もともと人体には陰と陽のバランスを調整する機能があらかじめ備わっています。

たとえば暑い夏の時期には汗腺を開いて発汗することで、陽の気が強くなりすぎるのを防ぎ、また反対に寒い冬の時期には汗腺を閉じることで陽の気が弱まることのないよう調整しており、このように陰と陽のバランスを保つことで、さまざまな病気や不調を防いでいます。

五行論とは

万物は「木(もく)」「火(か)」「土(ど)」「金(ごん)」「水(すい)」からなる

五行論とは、自然界に存在するあらゆるものは「木」「火」「土」「金」「水」の5つの基本元素からなるという考え方です。

東洋医学では五臓=「肝」「心」「脾」「肺」「腎」をはじめ、身体の諸器官などを「木」「火」「土」「金」「水」の特性に合わせて5つに分類し、診断や治療に応用しています。

五行と関連する身体の部位

木=肝、胆、目、筋、爪

火=心、小腸、舌、脈、面

土=脾、胃、口唇、肉、唇四白(唇のまわりの白い部分)

金=肺、大腸、鼻、皮、毛

水=腎、膀胱、耳、骨、髪

五行論における相生(そうせい)・相克(そうこく)関係

木・火・土・金・水の5元素は、それぞれの相手に対して促進、助長、養成など、いわゆる「相生(そうせい)」関係を持ち、また反対にそれぞれが相手の成長や機能に対して抑制、制約などの作用をする「相克(そうこく)」関係を持っています。

すなわち、「相生」とは、

は燃えてを起こし、

は燃えつきて灰とを生じ、

は固まって(金属、鉱物)となり、

属は表面にを生じさせて、

を成長させる

というように、木→火→土→金→水の順に循環し、次の相手を強めるように作用します。

反対に、「相克」とは、

に根を張り、養分を吸収し、

を吸収し、また水を堰き止め、

を消し、

(金属)を溶かし、

(金属)はを切り倒す

というように、木克土→土克水→水克火→火克金→金克木の順番に作用します。

五行論でみる人の特徴と人間関係

五行論など、東洋思想的な見方で人の特徴やその人の人間関係を観察すると、「なるほど💡」と、非常に興味深いことがわかったりします。

人もそれぞれ五行論に当てはめられるのですが、ちなみに五行論で言うと僕は「木」の人であり、妻は「金」の人だったりします。

いつも何かと支えてくれる妻ですが、僕がいろいろなことに興味を持って枝をぐんぐん伸ばしていこうとすると、きまって妻にバッサバッサと枝を切り落とされます。

たぶん、いい方向に出ている枝だけを残して立派な木になるように、きっとうまーく剪定してくれているのだろうと思います😅

山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院

参考文献
・オールカラー版 基本としくみがよくわかる東洋医学の教科書 2020年 株式会社ナツメ社