たまに遭遇する帯状疱疹
みなさん帯状疱疹って知っていますか？
帯状疱疹とは …..
水ぼうそうを起こすウイルスと同じ水痘（すいとう）・帯状疱疹ウイルスが原因で起こる、痛みをともなう皮膚湿疹のことです。
主に子どもの頃に、このウイルスにはじめて感染すると、水ぼうそうを発症します。
しかし、水ぼうそうが治った後もウイルスは脊髄から出る神経節という部位に潜んでおり、普段は身体の免疫力によってウイルスの活動が抑えられているため、発症することはありませんが、免疫力が低下するとウイルスは再び活動、増殖しはじめます。
そして、ウイルスは神経の流れに沿って神経節から皮膚へと移動し、帯状に痛みや発疹（ほっしん）が出る帯状疱疹を発症します。
お身体のケアをさせていただく仕事をしていると、けっして多くはありませんが、それでもたまに帯状疱疹に遭遇することがあります。
最初は発疹もなく、痛みを訴えて来院されることも多いため、見極めが難しいこともありますが、帯状疱疹の場合、処置が遅れると「帯状疱疹後神経痛」といって発疹が治った後も痛みが続いてしまうことがあり、なかには激痛が続いて日常生活にも支障が出る場合があるため、少しでも皮膚の異常が認められたらくぼた整骨院ではすぐに皮膚科等の医療機関を受診していただくようお話しします。
60代男性、頚部～左肩にかけての痛み
定期的にメンテナンスに来られている男性のⅯさん。
この日は「寝違えたかも」と言って首から左肩にかけての痛みを訴えていました。
首を少し動かしただけでも痛みを感じ、左腕を上げる等の動きでもかなりの痛みがあるとのこと。
患部を確認してみると頚部～左肩甲骨～左胸部にかけて、あせものような湿疹が見つかったため、帯状疱疹かもとお話しし、医療機関を受診していただきました。
70代女性、頚部～左肩～左手関節部の痛み
近所のKさん。
首～左肩～左手関節部に及ぶ痛みを訴えて数年ぶりに来院されました。
最初の痛みはさほどでもなかったようですが、徐々に痛みが増してきて夜も寝られないほどの激痛になってしまったそうです。
初検時とくに皮膚の異常はなし。
施術を行うと「さっきよりはちょっといいかなぁ」ということで帰られましたが、翌日また来院され症状をお聞きしてみると昨晩もかなり痛みが強くてつらかったとのこと。
再度患部を確認してみると、左肩部に発疹を確認。
胸部、上腕外側部、手関節部等各部位も確認してみると、この日は発疹が認められたため、帯状疱疹のお話しをして皮膚科さんに行っていただきました。
帯状疱疹は免疫力が低下した時に発症する
帯状疱疹は「加齢」、「疲労」、「ストレス」などによって、免疫力が低下した時に発症します。
健康なときは免疫力が強いため、水痘（すいとう）・帯状疱疹ウイルスの活動は抑えられていますが、免疫力が低下した時に再び活動、増殖し、帯状疱疹になると考えられます。
帯状疱疹の発症は加齢とともに増加する
また日本人では50代から帯状疱疹の発症率が高くなり、帯状疱疹になった患者さん全体のうち約7割が50歳以上ということからも、帯状疱疹の発症には加齢が大きく関係しています。
日本人の約9割が帯状疱疹ウイルスを持っている
日本の成人のおよそ9割の方が帯状疱疹の原因となるウイルスを持っているといわれています。
子どもの頃に水ぼうそうにかかったことがある人だけでなく、かかっていても自覚がない人もおり、日本の成人のおよそ9割は体内に水痘（すいとう）・帯状疱疹ウイルスを持っていると考えられています。
したがって水痘・帯状疱疹ウイルスを持っている人は誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
帯状疱疹は早期発見、早期治療が何よりも大事です
通常、痛みは水ぶくれ（水疱：すいほう）や赤い発疹が治るとともに軽くなりますが、帯状疱疹が怖いのは皮膚の症状が治まった後も長期間にわたり、帯状疱疹後神経痛（PHN）が後遺症的に出現する場合があるためです。
加齢とともに帯状疱疹後神経痛への移行リスクは高くなり、50歳以上の患者さんの約2割が移行するとの報告もあるため、注意が必要です。
帯状疱疹後神経痛は、ウイルスが神経を傷つけることで起こるため、帯状疱疹になったらできるだけ早く治療をはじめてウイルスを抑えることが重要です。
前述したMさんとKさんも抗ウイルス薬と鎮痛薬によって症状改善し、幸い帯状疱疹後神経痛などの後遺症もなく順調に回復しました。
みなさんも身体のどこかに痛みがあり、痛む患部に発疹などの皮膚の異常が認められたら、それはもしかすると帯状疱疹かもしれません。
そのような痛みと皮膚の異常を認めたら、できるだけ早期に皮膚科等の医療機関を受診し、重症化させないようくれぐれもお気をつけくださいませ。
（ 参照：帯状疱疹.jp ）
山梨県甲府市の整骨・整体『くぼた整骨院』
