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『食生活と身体の退化/食の近代化と病気の関係』

ガンも難病も自己免疫疾患もアレルギーも、人間が本来なりうる病気ではない

ウェストンA.プライス博士(1870年9月6日–1948年1月23日)の名著、「食生活と身体の退化-先住民の伝統食と近代食 その身体への驚くべき影響-」

この本、めちゃめちゃ分厚くて読むのに大変苦労しますが、健康を保つために食がいかに大切かということを痛切に思い知らせてくれます。

プライス博士は約10年かけて14ヶ国、数百に及ぶ地域を訪れ、そこに住む先住民たちを調査しました。

昔ながらの伝統的な生活を続け、自給食を摂っている先住民たちは、完璧な歯列でほとんど虫歯はなく、結核に対する強い免疫力を持ち、総合的に優れた健康体であったのに対して、近代化にともない食生活も砂糖や精白小麦などの精製食品や缶詰などの加工食品、植物油などの近代食品を食べるようになった人びとは、退化の徴候がすぐさま現れ、虫歯、顎の変形、歯並びの乱れ、関節炎、そして結核に対する免疫力の低下が顕著に見られるようになっていました。

現代ではガン、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病、難病、アレルギー、自己免疫疾患などなど、実にさまざまな病気が存在しますが、先住民たちに上記のような病気はなかったそうです。

そうと言うと、かならず「平均寿命が短いからでしょ」って言われますが、そんなことはなく、たしかに近代化にともなってインフラ整備による公衆衛生の改善や、救急医療の発展、抗生剤による感染症防御、飢饉や飢餓による栄養失調の改善などによって現代人の寿命が長くなったことはその通りかもしれませんが、しかしながら先住民たちは死産や事故、感染症で命を落とすことがなければ総じて長寿であり、100歳を悠に越えて寿命を全うし、死ぬ時は老衰という人が多かったそうです。

今年から参加しているNPO法人薬害研究センター認定セラピスト講座でも、内海先生はよく先住民の話をされます。

先ほども書いたように、人間が本来なりうる病気は、◯外傷、溺水、骨折、◯感染症、◯死産や産婦人科問題、◯栄養失調、◯老衰であり、ガンも難病もアレルギーも自己免疫疾患も脳卒中も心筋梗塞もその他現代病と言われる病気などは人間が本来なりうるものではなく、まさに食の問題、環境汚染、医原病、精神性の弱体化などによって引き起こされているということです。

文明の発達によって現代に生きる人々が多くの恩恵を享受できるようになったというのは、紛れもない事実ではありますが、その反面で上記のような昔にはなかった病気が増えていることもまた事実としてあります。

かと言って太古の昔に先住民たちが営んでいたような生活に戻るなんてことはできないのは当たり前ですが、しかしながら人間もまた自然の一部であるはずが現代においてはいつのまにかそういった意識は薄れ、自然への畏敬の念もなくなり、人間の力でなんでもできるんだぜ的な傲慢な生き物に成り下がってしまったように思います。

現代は農薬、遺伝子組み換えやゲノム編集食品、食品添加物など、身の回りには自然ではない食べ物で溢れかえっています。

「国の基準でOKなものなんだから、身体に害なんて出ないでしょ」って言う人、絶対いると思いますが、はたして本当にそうでしょうか?

日本では海外で禁止されている農薬や添加物が平気で使われているのが現状であり、遺伝子組み換えやゲノム編集食品にいたっては今や表示義務がないのでどの食品で使われているのかさえも知ることができなくなっています。

現在の日本は農薬の使用量が世界一、添加物の認可数も世界一、さらに、安定剤の売り上げも世界一、精神病院の保有数も世界一、放射線の基準値も世界一(ゆるい)、有病率も世界一、無駄な検診やドック普及率も世界一です。

また、海外では右肩下がりで使われなくなっている抗がん剤や降圧剤、コレステロール降下剤なども日本では右肩上がりで使用数が増えているのが現状です。

「生命があらゆる面で十全であるためには、母なる大自然に従って生きねばならない」

プライス博士の言葉です。

以前にも書きましたが、「自然から離れるとは神から離れること」であり、自然の一部である人間は、自然から離れれば離れるほど健康でいられなくなることは、紛れもない事実としてあると思います。

人間も自然の一部ということを忘れず、プライス博士の言うように「大自然に従って生きる」意識を持つことも、病気にならず、健康に生きていくためには大切なことかとあらためて思います。

山梨県甲府市の整骨・整体 くぼた整骨院

参考文献
・食生活と身体の退化−先住民の伝統食と近代食 その身体への驚くべき影響− ウェストンA.プライス 著 片山恒夫/恒志会 訳 2010年